バリアフリーのリフォームはいつ、どこから始めたらいいのか
介護が必要になったとき
家をリフォームするタイミングは築年数が増えて、あちこちが老朽化してきたときです。しかし、バリアフリーのリフォームは築年数が少なくても、家族に介護が必要になったときが工事をするタイミングになります。
介護が必要になるのは高齢化や病気や事故などがきっかけとなりますが、身体能力が衰えたり身体機能の一部が失われたりすると、小さな段差でも危険になります。そのような場合にはバリアフリーのリフォームが必要になります。
また高齢によって足腰が弱くなると車椅子を家の中で使うようになるので、ほんの少しの段差があっても不便です。車椅子を利用しなければならない状態になったときもバリアフリー化が必要です。
将来に不安を抱いたとき
人間はいつかは高齢化します。その時が来たらどうしようという不安が心に兆したら、できる限りのことをしておくべきです。その1つがバリアフリーのリフォームです。単に段差をなくすだけでなく、廊下に手すりをつけたり身体を支えやすいように工夫したりすることも必要です。このように高齢化が近づいて不安になったときこそ、バリアフリーにするタイミングなのです。
介護が必要になってから慌ててリフォームするよりも、将来のために行うようにすればじっくりと検討することができます。またリフォーム内容によっては仮住まいを余儀なくされることもありますので、健康なうちにやっておくというのは良い方法です。
バリアフリー工事の始め方
家の造りによってもバリアフリー工事の内容は変わってきますが、一戸建ての場合はまず入口にスロープを作ることが先決です。たいていの家の玄関前は階段になっていたり段差がついていたりするものです。そこをスロープにして車椅子でも入れるようにします。
その次は玄関から廊下への入口でしょう。ほとんどの家の玄関は上がり框になっていますが、外のスロープからそのまま屋内に入れるように段差をなくします。
最後のバリアフリー化は廊下から各部屋へ入る段差をなくすことです。その中でも最も大事なのがお風呂場の出入口です。玄関前と玄関と屋内の3箇所をバリアフリー化すれば、高齢者でも安全に暮らすことができます。
バリアフリー工事の費用
玄関前のスロープ設置
スロープを設置する場合の一般的な相場は、手すり費用も含めて約40万円から50万円です。スロープの長さにもよりますが、手すりなしで短い場合は20万円程度で済む場合もあります。急なスロープをつけてしまうと結局使えない代物になって無駄になりますので、勾配が12分の1になるようにスロープをつけるようにします。それだけの敷地がない場合は折り返す形状にするなどの工夫が必要になります。
また、夜などは足元を安全に照らすためのフットライトを設置するのも効果があります。ライト自体は2万円前後ですが、工事費が1万円から5万円ぐらいかかります。
屋内の段差をなくす工事
屋内の全体をバリアフリーにする大規模なリフォームの場合、100万円から1000万円までが一般的な相場となります。幅があるのは、トイレや浴室のバリアフリー化を含めるかどうかによって費用に差が出るからです。また介護リフォームの場合は車椅子で屋内を移動できるように、フローリングの床を固い床材へ貼り替える必要があります。その範囲が広くなると工事費用もそれだけかかります。
トイレや浴室の中を含まずに、床の段差を解消するリフォームなら2万円から15万円程度で収まります。それも段差を解消する場所の数や施工方法によって変わってきます。
バリアフリーは介護保険制度を使える
介護のためのバリアフリー工事には、介護保険や自治体から補助費が出る制度があります。例えば介護保険制度では一生涯につき20万円まで、リフォームの9割を補助してくれます。ただし受給条件があり、要介護認定で要支援および要介護と認定されており、実際に本人が居住していなければなりません。また各自治体によって高齢者住宅改修費支援制度、障害者住宅改造費助成制度などが用意されているところもあります。
介護リフォームでバリアフリー工事をする場合、ケアマネージャーなどに事前に相談した方がよいでしょう。
とりあえず一括見積依頼してみよう